ドッグフードは何からできているの?

今ではホームセンターやペットショップ、動物病院、インターネット通販など、さまざまな場所でドッグフードを手軽に購入できるようになりました。ドライタイプやウェットタイプ、グレインフリー、高たんぱく、国産など、実に多くの種類が並んでいますね。

多くの飼い主さんにとって、ドッグフードは愛犬の健康を支える毎日の主食です。バランスよく栄養を摂取でき、カロリー管理もしやすい反面、原材料や製造方法までは意外と意識していない方も多いのではないでしょうか。

今回は、意外と知られていないドッグフードの原材料の実態と、愛犬の健康を守るための安全なフードの選び方について詳しく解説します。

目次

1. ドッグフードの主原料は本当に肉?

「犬は肉食動物だから、ドッグフードの主原料は肉に決まっている」と思っていませんか?実はそれは誤解です。多くの市販ドッグフードの主成分は、肉ではなく穀物(トウモロコシ・小麦・大豆など)です。

ドッグフードの裏面にある原材料表示をチェックすると、一番最初に書かれているものが「その製品に最も多く含まれている原料」であることがわかります。上位に「トウモロコシ」「小麦」「大豆」などの穀類が並んでいる場合、それが主成分なのです。

犬はオオカミを祖先に持つ肉食動物ですが、現在販売されている多くのフードでは穀物が中心。では、なぜ肉ではなく穀物が使われているのでしょうか?

2. なぜ穀物が多く使われているのか

理由は主にコストと生産性にあります。肉類は高価で保存も難しく、製造コストが上がってしまいます。そこで、安価で大量に流通できる穀物を使うことで、コストを抑えながら長期保存できる商品を作っているのです。

穀物を多く使う3つの理由

  • 1. コストが安く、量を増やしやすい:トウモロコシや小麦は安価で調達できるため、価格を抑えて大量生産が可能です。
  • 2. 加工しやすく、形を整えやすい:穀物はペレット(粒状)に加工しやすく、製造の効率が良い。
  • 3. 保存性が高い:穀類を多く使うことで、酸化しにくく長持ちする製品に仕上げられます。

しかし問題は、犬が穀類の消化にあまり適していないということ。犬は肉や脂質をエネルギー源とする体のつくりになっているため、炭水化物を大量に摂取すると消化不良や便の質の悪化につながることもあります。

そのため近年では、穀物を使用しない「グレインフリー(穀物不使用)」や、小麦を使わない「グルテンフリー」タイプのフードが人気を集めています。ただし、穀物の代わりにジャガイモや豆類が入ることもあるため、原材料をよく確認することが大切です。

3. 「ミートミール」「肉副産物」とは何か

穀物だけでなく、フードに使われている肉の質にも注意が必要です。パッケージに「チキン」「ビーフ」「ラム」と書かれていても、それが“新鮮な肉”とは限りません。

代表的な加工原料と注意点

  • 肉骨粉(ミートボーンミール):家畜の骨や皮、内臓などを高温で加熱・乾燥させて粉状にしたもの。どの部位が使われているか不明確で、品質にばらつきがある。
  • チキンミール/ミートミール:肉副産物を乾燥させた粉末。新鮮な生肉とは異なり、加工の段階で栄養価が落ちることもあります。
  • 肉副産物:肉以外の部位(内臓、血液、骨など)を含む混合物。低コストで大量生産が可能ですが、原料の出所が不明なことも。

これらの原料は一概に悪いとはいえませんが、「どんな動物のどの部位を使用しているのか」を明記していない商品は避けたほうが安心です。信頼できるメーカーは、原料の調達先や加工方法をしっかり開示しています。

4. 安全なドッグフードを選ぶポイント

愛犬の健康を守るには、パッケージの原材料表示をよく読むことが何より大切です。以下のポイントをチェックしてみましょう。

チェックリスト

  • 主原料が肉かどうか:最初に「チキン」「サーモン」「ラム」など具体的な動物性たんぱく源が書かれているか。
  • 曖昧な表記がないか:「動物性油脂」「肉副産物」「ミートミール」など、詳細不明な表現は避ける。
  • 添加物の有無:香料、着色料、防腐剤などの人工添加物が少ないフードを選ぶ。
  • ヒューマングレード:人間が食べられる品質基準の原料を使用しているか確認する。
  • 総合栄養食の表記:毎日の主食として栄養バランスが保証されているか。

また、開封後はしっかり密閉して保存し、1か月以内に使い切ることも重要です。酸化したフードは香りが変わり、犬が食べなくなるだけでなく、健康被害の原因になる場合もあります。

5. 穀物入りフード=悪ではない?その理由

「穀物が入っている=悪い」と思われがちですが、そうとは限りません。玄米やオートミール、サツマイモなどの穀類は消化が良く、エネルギー源として優れています。大切なのは、どんな種類の穀物を、どれくらいの割合で使っているかです。

穀類が補助的な位置づけで、肉が主成分となっているフードであれば、栄養バランスの取れた安全な食事といえます。

まとめ ― 愛犬を守るのは飼い主の“見る目”

ドッグフードの品質は、パッケージのデザインや値段では判断できません。最も大切なのは、原材料表示にしっかり目を通すことです。

  1. 主原料が肉であること。
  2. 「ミートミール」「副産物」など曖昧な原料が少ないこと。
  3. 添加物が控えめで、自然素材中心であること。

愛犬は自分でフードを選ぶことができません。だからこそ、飼い主が“安全な食材を見極める目”を持つことが何より大切です。 原材料を理解し、信頼できるメーカーのフードを選ぶことで、あなたのワンちゃんはより健康で長生きできるでしょう。


※本記事は一般的な情報に基づいています。犬種や年齢、体調によって適切な食事は異なります。心配な場合は、必ず獣医師にご相談ください。

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