穀物不使用ドッグフード

近年、「グレインフリー(穀物不使用)」のドッグフードが多くの飼い主さんから注目を集めています。ペットショップやネット通販でも「穀物不使用」や「アレルギー対応」と書かれたパッケージを見かける機会が増えましたね。

では、一体なぜこれほどまでに人気が高まっているのでしょうか?この記事では、グレインフリーの意味や注目される理由、メリット・デメリット、選び方のコツまで、わかりやすく解説します。

目次

グレインフリードッグフードとは?穀物不使用の意味

「グレインフリー」とは、その名の通りトウモロコシ・小麦・米などの穀物を一切使用していないドッグフードのことです。

一般的なドッグフードには、これらの穀物が多く含まれています。理由のひとつは、ドライフードを固形化する際に必要な「デンプン質」を確保するため。そしてもうひとつは、穀物を混ぜることでコストを下げられるからです。

実際には、市販のフードの多くが全体の50%以上を穀物で構成しており、肉や魚などの動物性原料よりも多く含まれているケースも少なくありません。

そのため「犬の体質に合っているのか?」という疑問が高まり、健康志向の高い飼い主さんを中心にグレインフリーが選ばれるようになりました。

犬は肉食動物。穀物を消化しにくい理由

犬はオオカミを祖先に持つ肉食寄りの雑食動物です。体のつくりも肉の消化に特化しており、腸は短く、鋭い歯は肉を引き裂く形状をしています。

一方で、穀物を分解する「アミラーゼ」という酵素をほとんど持っていません。つまり、穀物を食べても完全には消化吸収できず、腸内で負担をかけてしまうことがあるのです。

結果として、穀類を多く摂取した犬は以下のような症状を起こす場合があります。

  • 下痢・軟便・ガス
  • 皮膚のかゆみ・発疹
  • 涙やけ・口臭
  • アレルギー反応

これらのトラブルを避けるためにも、犬の本来の食性に近い肉・魚中心のグレインフリーが注目されています。

なぜ一般的なフードに穀物が多いのか

穀物が多く使われる理由は「コスト削減と製造のしやすさ」にあります。

肉や魚を多く使うと原材料費が高くなり、保存もしにくくなります。特に動物性タンパク質は酸化しやすく、長期保存には不向きです。そのため、メーカーは穀類を混ぜて量を増やし、保存性を高める工夫をしているのです。

つまり、スーパーやドラッグストアで安く手に入るフードほど、穀類が主成分である傾向が強いといえます。

グレインフリードッグフードが注目される理由

ここ数年、グレインフリーの人気が急上昇しています。その理由には、次の3つが挙げられます。

① 消化負担を軽減できる

穀物を排除することで、犬の胃腸への負担を減らすことができます。動物性タンパク質を主成分にすることで、消化吸収がスムーズになり、便の状態が良くなるケースが多く見られます。

② アレルギー対策に効果的

トウモロコシや小麦などは、犬にとってアレルギーを起こしやすい食材のひとつです。穀物を除去したグレインフリーフードは、皮膚トラブルや涙やけなどの改善に役立つことがあります。

③ 高品質・高透明度の原材料

グレインフリーフードを展開するブランドの多くは、ヒューマングレード(人間が食べても安全)な原料を使用し、原材料表示も明確です。そのため、信頼性が高く、品質にこだわる飼い主さんから選ばれています。

グレインフリードッグフードのメリット・デメリット

【メリット】

  • アレルギーの原因となる穀物を排除できる
  • 消化が良く、内臓への負担を減らせる
  • 便通・毛艶・皮膚の状態が改善しやすい
  • 高品質な原料を使用している製品が多い

【デメリット】

  • 穀物入りよりも価格が高め
  • カロリーが高く、肥満体質の犬には注意が必要
  • 全ての犬に合うとは限らない(消化器系の弱い犬など)

グレインフリーを選ぶときのチェックポイント

  1. 主原料が明記されているか:「チキン」「サーモン」など具体的な食材が明記されているものを選びましょう。
  2. 人工添加物が少ないか:着色料や香料、防腐剤が多いものは避けましょう。
  3. ヒューマングレード原料か:人も食べられるレベルの品質であれば安心です。
  4. 愛犬のサイズや年齢に合っているか:小型犬・シニア犬には小粒タイプ、大型犬には中〜大粒タイプが◎。
  5. 信頼できるブランドか:正規輸入・国内製造・販売元情報が明記されているものを選びましょう。

グレインフリーがおすすめな犬の特徴

次のようなワンちゃんには、穀物不使用のドッグフードがおすすめです。

  • 穀物アレルギーの疑いがある
  • 皮膚のかゆみや赤みが出やすい
  • 便がゆるい・下痢をしやすい
  • 涙やけや口臭が気になる
  • 食いつきが悪く、嗜好性を高めたい

これらの症状が見られる場合は、グレインフリーフードへの切り替えを検討してみると良いでしょう。

まとめ|グレインフリーは健康志向の次世代ドッグフード

グレインフリーは、犬本来の肉中心の食生活に近いスタイルを再現した健康志向の次世代フードです。穀物を使わないことで、消化吸収の負担を軽減し、アレルギー対策や体質改善にもつながります。

ただし、どんなフードでも「愛犬に合うかどうか」が最も大切です。原材料や成分をしっかり確認し、少量から試してみるのがおすすめです。

愛犬の健康と幸せのために、今日からぜひフード選びを見直してみましょう。


※この記事は一般的な情報をもとに作成しています。フードの変更や体調不良が見られる場合は、必ず獣医師にご相談ください。

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